こんにちは、ひとぅみです
『透析ナースになりました!1週目について伝えます』の記事の続きとして、透析室への転職後2、3週目についてお伝えします。
前回の記事はこちらから
【転職実体験】透析室ナースになりました!〜1週目について伝えます〜
また、今回から学んだ知識や技術を羅列するだけではつまらないので、メモ程度のポイント踏まえてまとめてみようと思います。
まだまだ成長途中で勉強不足な点もあるので、「へぇ~、透析看護師へ転職すると、こんなこと学ぶのか~」と思って読んでもらえたら幸いです。
ちなみに、
もう少し私が成長したら学んだ知識や技術のポイントを詳しくまとめていけたらと考えています。
学んだ知識
•透析中の輸血投与について
Point!輸血投与は動脈ラインから投与する
輸血を動脈ラインから投与することで、ダイアライザーで電解質補正を行うことができるため(特にK値の補正が目的)
•ドライウエイトと除水量について
これについて詳しく話すには、まだ勉強途中なので、ざっくり概要だけ
ドライウェイト(DW)
一言でまとめると、身体に余分な水分の貯留がなく、体調が良いと感じる体重のこと。
体調が良いには、
血圧が安定している(透析中、自宅での血圧も)、全身の浮腫がない、手足のつりがない等が含まれます
透析はこの体重を患者ごとに決めて、それに合わせて透析(除水)を行います
•透析での血圧について
理想パターン 透析前より透析後がゆるやかに低下すること
具体的には、心機能低下がない場合、目標血圧120∼130/70∼80㎜Hg
BADパターン 原因⇒解決法
①透析後半に血圧上昇する
・体液過剰(透析前より5㎜Hg以上は特に体液多い)
・・・ドライウエイトが高く設定され、除水不足の可能性を考える
⇒必要ならドライウエイトを上げる(除水量を増やす)
②透析開始直後(開始30分~1時間後)から前半で血圧低下する
・過度の時間除水
⇒リスクの低い時間除水量(10∼15ml/㎏/時間)を越えていないか確認する。
⇒時間除水が多くなるぐらい除水しなければならないなら、透析時間の延長や臨時透析を導入して1回あたりの除水量を減らすことを検討する
・アレルギー反応
・心疾患(虚血性心疾患、大動脈弁・僧帽弁狭窄症、拡張型心筋症、不整脈など)
・・・心拍出量低下し、有効な循環血液量が減少することで血圧低下する
⇒昇圧剤を使用した透析を検討する
・低アルブミン・・・膠質浸透圧が低くなり、間質から血管内へ水分移動する割合が減少する。(細胞から水分を血管内へ移動できない)
⇒アルブミン製剤・膠質浸透圧液を透析中に使用する
・貧血・・・有効な循環血液量が低下して血圧低下する⇒輸血しながら透析する
・自律神経障害(糖尿病患者・高齢者)
・・・本来なら、除水により身体の循環血液量が減少したら、自律神経反射で血管を収縮して血圧低下を防ぐ機能がある。この機能が糖尿病患者や高齢者は低下することで血圧低下になる
⇒リズミック等の昇圧薬を透析前に内服しておく
③透析後半(開始2~3時間後)から終了後に血圧低下する
・ドライウエイトが低すぎる⇒今のDWでは除水しすぎてしまうからDWを上げることを検討する
・自律神経障害⇒透析前の昇圧剤の内服
・除水設定ミス⇒透析前後の正しい体重測定できているか
④常時低血圧 常に収縮期血圧100㎜Hg以下
・心疾患(特に低心機能)
⇒尿毒素物質を除去できるhight-Flux膜で透析する
HDF(透析+電解質の補充)やECUM(透析液を使わず体液除去)へ変更する
昇圧剤の使用検討する
出典
監修 小林修二『やさしくわかる透析看護』(照林社),p86∼97,2018年出版
•透析で使用する抗凝固薬について
Point!透析で使用する抗凝固薬は3種類(ヘパリン•ダルテパリン•フサン)あり、それぞれ適応がある!
注意 施設により採用している抗凝固薬が異なる可能性があります。
ヘパリン
使用が簡単。薬の効果が現れるまで短く、半減期は1時間で短い。
ただし、透析後に転倒やけがなどで内出血が起こるリスクが高い人には使えない(ヘパリン起因性血小板減少症:HIT、アンチトロンビン欠乏症)
ダルテパリン→低分子ヘパリンのこと
薬の半減期は2~3時間とヘパリンに比べて長く、ヘパリンより少ない量で透析できる。軽度の出血傾向の人へ使える。ヘパリンよりもHITや脂質異常症への影響が少ない。
フサン
抗凝固作用時間が短いため、透析時のみの抗凝固作用で抑えられる
適応は、消化管出血や術後などの出血傾向の人
学んだ技術
•抜針と止血
Point!抜針して止血をする時は、皮膚と血管にあいた針穴を意識して行う
抜針後は針穴をしっかり圧迫しないと、内出血で腫れてしまう。腫れると圧迫されることでのシャント閉塞の危険が高まるため
•透析の回路の組み立て
•穿針後のテープ固定→回路接続→脱血→抗凝固薬投与→透析開始まで
•血液培養の採取
Point!透析患者は貧血の方が多いため、嫌気性ボトル•好気性ボトルそれぞれ5mlずつ採取で行う(本来の血液培養はそれぞれ10mlずつ採取)
透析患者は、腎臓が悪いことで造血機能がうまく働かなくなり、腎性貧血の方が多いからだそう。
注意:施設により違う可能性はあります
2、3週目を終えた感想
仕事について
透析に携わることで、腎臓という臓器がとても尊い存在であることがわかりました。
なぜなら、腎臓は尿生成、老廃物の除去、血液の酸塩基平衡の調整、造血ホルモンの分泌、ビタミンDの活性化、血圧調整など身体で果たしている役割はとても多いから。
また、透析治療へ関わるうえでは、全身状態をアセスメントできる力も必要なことを感じました。
今までのICU、循環器病棟で得た知識を使い、さらに知識に磨きをかけられる環境だと感じています。
生活面について
2、3週目を終えて環境には慣れてきたかなと思います。
しかし、緊張からくる肩凝り、相変わらずプリセプターが苦手で辛いなと感じています。
あと、連休がないから身体が慣れるまで疲れが取り切れないです。
そんな2、3週間でも嬉しかったことがあります!!
それは患者さんに名前を覚えてもらったこと、励ましの言葉をかけてもらったことです。
多くの透析患者さんは、週3日約4時間を透析治療にあてるため、身体的、心理的、社会的にも大変な生活を送っています。
そのなかでも、入職したての私の名前を覚えてくれたことや励ましの言葉をかけてくれたことはとても嬉しかったです。
このことで、少しずつでも患者さんの役にたてるよう、私も頑張ろうと励みになりました!
まとめ
2、3週目も新たに覚えることが盛りだくさんでした。
環境には少しずつ慣れたとはいえ、まだまだ分からないことも多く、大変な毎日を過ごしています。
それでも、毎日少しずつ成長出来たらと思います。
では、また来週も頑張ります! never give up!!