こんにちは、ひとぅみです★
世間では、新型コロナウイルスの流行によって医療現場への負担過多、特にボーナスカットはストライキを起こす病院職員も話題になりました。
私の勤務していた病院でも直接的ではないですが、影響を受けて新型コロナウイルスによりボーナスカットになりました。
今回、退職を機会にそれに至るまでの経緯をお話しします。
これを読んでマスコミが報道していないけれど、もっとひどい現場があったことを知ってほしいし、医療現場で働く看護師の気持ちが分かってもらえたら嬉しいです。
私が働いていた病院は?
私は、2020年8月まで地方の約300床総合病院に勤務していました。
そこは、ボーナスカット事件以前にブラック病院といえるであろう、
『業務量が多すぎて、定時になっても仕事が終わらない‥』
『有給は基本的に自由に使えない、勝手に使われている‥』
『なんだが、下っ端ばかり面倒な仕事を押し付けられる‥』
それに加えて、退職直前には
『一方的にボーナスカット!一切の説明会もなし、でも労働組合もないからストライキも起こせない‥』
という環境で働いて、『仕事は多い、むしろ増えているのに、唯一の楽しみボーナスまでカットされて、なんのために日々耐えて仕事しているのかわからない』という気持ちで働くストレスフルな毎日でした。
就職先決定~そもそもなぜそこを選んだ?~
晴れて看護師として病院へ入職することになりました。
最初の病院を選んだ理由は、
一番は『自宅から比較的近く、給与も良い!』
かつ、
『どうやら有名な医療団体に所属しているから社会的にも信用が高い病院みたいだ!しかも、お礼奉公制度の奨学金もやっている!借りた年数をきちんと給与をもらって働けばチャラだし、奨学金やるぐらいだから財源に余裕あるのかな』といったブラックに対してホワイトイメージが強かったことを覚えています。
そのため、早々と大学3年の春から奨学金を借りる契約をして就職活動を終わらせてしまいました。
この選択が少し違ってたことは入職してから知りました。
入職後、突然のボーナスカット通知!?
入職初日の月例会という病院全体朝礼のようなものに参加した際の院長の発言が「この病院は億単位の借金があります。これを返すためには改革が必要です」とのことでした。
私はその発言に『え?多額の借金あるの?こんな給料良いのに?しかも、大きな医療団体所属なのに?』という正直驚きと『あ!入るところ間違えたかも・・』と思った記憶があります。
ですが、その院長の発言がすぐに私への影響はなく、忙しい日々を過ごしていました。
ところが、夏のボーナス支給日に状況が一転し突然の今年度の4月入職者は全額カットの通知を受けました。
他の病院では違うのかもしれませんが、私の病院ではもともと4月入職者にも10万円程度のボーナスが支給されると、事前に渡された給与目安表には記載がありました。
にもかかわらず、入職時などでの事前通告なしの全額カットは金銭的にも辛いし、病院への信用も少しなくしました。
その後は、病院内では「赤字でやばい!」という噂は何度も耳には入りましたが、実際は影響がなかったです。
看護師3年目の冬、様々な部署や領域で学びジェネラリストを育てたい病院の方針のもと、循環器内科がメインの一般病棟へ移動になりました。
異動した先で新たな人間関係を作り、今までより倍以上の受け持ち患者を担当するという環境激変の中でも必死に仕事をしてました。
またこの頃から新型コロナウイルスが流行し始めました。
私の病院は感染症指定病院のため、積極的に新型コロナ患者の受け入れを行わなくてはならない状況になりました。
そのため、病棟から新型コロナ患者の対応スタッフを招集され、直接招集されたスタッフ以外の私達にも勤務調整や少ない人数で業務をこなさなければならないという負担を強いられるようになりました。
看護師4年目夏、再びボーナスカット・昇給停止の通達!
2020年6月夏ボーナス日
それまで一切通知がなく、また一方的に今までの業績不振と新型コロナウイルス受入れ等による収益減少のためと、医師以外の職員のボーナス1.5ヶ月カット(ボーナス支給額は基本給×0.5ヶ月分になった)当面の昇給停止と通達を受けました。
この通達を受けて、私は『え?これで突然のボーナスカット2回目だし、いくら新型コロナで業績不振に拍車がかかったといえど、新型コロナウイルスによって仕事量も増えてるし、いつ私達が感染するかわからないリスクを抱えているのに、せめてボーナスぐらいちゃんとくれても..』と思いました。
また昇給停止についてはよくよく話をきくと、数年後に控えている病院移転でお金がかかることを見越した措置らしく、昇給再開はいつになるかわからないとの話を聞きました。
そんな病院に対して、ストライキをおこそうとする頼もしい先輩もいました。
しかし、私の病院には労働組合がなかったのです。
しかも、ストライキを起こそうとする先輩に対して看護部の上層部は、そもそもストライキはしないと入職時の契約で交わしているはずだと伝えられて失脚に終わりました。
さらに、その後ストライキを起こそうとしていた先輩自身が副主任へ昇格しました。
『これは完全に労働者側に置いておくと厄介だから、経営者側へ取り込んで文句を言わないようにしたのではないか』と思いました。
また、『昇給も停止されている中で今後ここで働いて、経験値に見合うリーダー業務や後輩指導、委員会等の仕事をやらされるであろうに、それに見合う給与が貰えないのではないか』と思い、退職を決意しました。
その後、無事退職手続きができ、
この経験から得たもの
私はこれでブラック病院から他へ転職することになり、私の中では昇給停止かつ冬のボーナスも満額払えないであろう病院とはおさらばできました。
でも、ある意味世間では、看護師という安定している職種について、ある程度の規模の病院へ就職したはずなのに、こんなことが起こることはそもそもあまりないと思います。
これをきっかけにして若いうちに、『看護師でも病院への就職して看護師として働けば一生安泰と考えてはいけないな、どんな状況でも生きていける様々な力が必要』だと考えるきっかけになり、看護や医療以外のことも勉強する機会になったので良かったと思います。